8合目・・・まだ先がある
白んだままの山道を進み、やっと七合目の山小屋に到着した。
建物といっても、それほど大きくもない平屋だ。小屋と言っては失礼かもしれないが、とてもワイルドな感じがする。
山小屋の前に下を見下ろすようにベンチが並ぶ。
リュックは下ろさずに腰掛け、少し水を飲む。
やはり美味い。
米パンを少しかじる。
思ったより食べごたえがあり腹持ちもよかった。
数分だけ休んで息を整えると、再び登り始める。
まだそれほど寒くもなく、それほど汗もかいていない。
程よい風が気持ち良く、昨日までの体調不良がウソのようだ。
山道は一転して、ゴツゴツした岩を這うように登る。
なるほど杖は必需品だ。
借りたストックを使ってよじ上る。
ちょっと油断すると足をひねりかねない。下を見ながら慎重に、かつリズム良く登る。
山道が狭くなり、ツアー登山者がひしめくようになってきた。
スピードを合わせると登りにくいので、何度となく回り込むようにして追い越す。
追い越しては、ちょっと休んでみんなを待つ。
足の張りは少ないが、少し肌寒くなってきた。
温度はどれくらいだろう?リュックから上着を出して着込んだ。
同じく山を登るツアーの人々から笑顔を少なくなってきたように思える。
こんなとき元気なのは子供だけだ。
あと、思ったより外人が多かった。
わりと軽装で、素足にスニーカー、半パンのビニール合羽なんて白人もいる。
大丈夫か?
空に虹が出ていた。
視線の少し上なので、なんだか近くにあるようだ。
そういえば町中では虹に気がつくことも少ない。
なんかよいものを見た気がした。
3,000メートルを超え、さらに登ると八合目だ。
でも、今日泊まるのは本八合目であり、さらに上になる。
すでに夕方近い時間だ。
もうちょっとだけど、そろそろ休みたい。
