6合目に到着
五合目からの道のりは意外にも下り坂である。
山際の平坦な道のりがゆるゆると続く。
足慣らしとはよく言ったもので、靴の調子を見ながら体をなじませるものらしい。
とはいえ、山道にはなぜか馬がいっぱい。
観光客向けにのんびりとした馬がとぼとぼと歩いている。当然ながら粗相もしまくり。
六合目までに道のりには、まだ緑もありのどかな山道はこれからの急激な傾斜を感じさせる微塵もない。少々は火山岩の砕けた石や砂が目につくことくらいか。
のんびり数十分をかけて歩いていると、お帰りの登山者とすれ違う。
それは皆苦痛に満ちた表情で、少しキツい日差しが体にこたえているようだ。
「下山ですか?」
当たり前の質問が飛ぶ。
「登りはつらいですかぁ?」
これも当たり前といわんばかりの表情が、無言で答えを語っている。
子供のころの予防接種と同じだと思った。
先に終わったものに必ず聞く子供。
「ねっねっねっ、痛かった?チクッとした?」
当たり前である。
人は年をとっても変わらんものだ。
ところで何がそんなにつらいのだろう?
この時はよく分からなかった。
さて、少々の登りとだらだらとした平坦な道のりを経て、六合目に到着だ。
いきなり工事現場か?ここは?という風景が広がる。
まったく美しくないグレー一色の風景。
係の人に頂上までの道のりを記した紙をもらった。
頂上までの山小屋の名前が並ぶ。
紙切れの中では頂上まではすぐだ。
足は慣れたかな?
ここから本当の登りがはじまる。
しっかし、どう見ても工事現場だな。ここは。
